昭和十八年、施業案の編成で間宮海峡に面した樺太の泊居事業区に出張した。晴天に恵まれ、あと数日で概況調査が終わろうとした六月三〇日の黄昏時、下流の方からブウー、ブウーと熊よけのラッパ音が聞こえてきた。 戦争が次第に激しくなり、友人や同僚が次々…
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