昭和40年代の営林局機関誌から選んだ「名作50話」

このブログは、昭和40年代に全国の営林局が発行した機関誌の中から、現場での苦労話や楽しい出来事、懐かしい思い出話などを選りすぐり編纂したものです。

2021-01-05から1日間の記事一覧

第1章 現場から 第3話「雑草に挑む」

五時三十分に雨戸を開ける。家の前には標高四百メートルの前岳国有林。 その頂きには朝日が当たり、空は青く澄んで雲ひとつない。 今日で何日、雨が降らないのであろうか。 慌ただしく朝食を済ますと車に飛び乗り、作業現場へと急ぐ。林道の終点から、谷川に…

第1章 現場から 第2話「不思議な灯」

昭和二七年十月。当時私は、鳥取営林署管内の霧ヶ滝森林鉄道敷設工事の監督補助員として、主任と共に現場近くの山小屋に起居していた。 バスの終点である田中部落から二キロ奧に貯木場があり、そこから森林鉄道で再び二キロ上がった川向かいにその山小屋があ…